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NHK中国語講座の次に何を学ぶか?
ステップ2のテキスト選び

私の中国語学習の最終目標は、大それた目標かもしれませんが、中国人と政治経済や歴史問題、世界観、哲学思想などについて議論できるようになることです。

たとえば、最近のサッカーアジアカップで明らかになった中国人の日本観について、中国人たちと徹底的に議論できるほどの中国語力を身につけられたら、さぞかし面白いだろうと考えています(きっとタフな議論になることでしょうが)。

でも、このレベルに一足飛びに到達できるはずはありませんから、とりあえず第一段階の目標は、卑近な話題で話ができる、身の回りのことを話題にして会話ができる、というレベルに到達することです。

この第一段階に近づくための効果的なテキストは何か。
最近の書店には、中国語の参考書がたくさん並べられるようになりました。居並ぶ本を眺めながら、私は「やさしく学べる」とか「楽しく学べる」、「これだけでペラペラ」、「実用会話が身につく」などとうたっている本はすべて無視しました。
それらの内容を見ると、ほとんどがNHK講座で学んだことばかりです。しかも断片的な例文が並んでいるだけだったりします。断片的な例文もNHK講座で、いやというほどトレーニングを積みました。

「実用会話が学べる」という参考書は「用件中国語」でしかありません。物事を要求、依頼し、用を足す、といった種類の会話なのです。
友人との会話は、要求したり、依頼したりする会話ではありません。そういう場面もありますが、友人関係というものは、近況を報告したり、新しい体験や知識を紹介しあったり、励ましあったり、慰めあったりするものです。
もちろん、中国を旅行したり、中国に住むことになれば、「用件中国語」が必要です。
しかし、私の台湾での経験から言えることですが、「実用的」会話なるものは、その気になって覚えようとすれば、簡単に覚えることができます。覚えると役に立ちます。とりあえず用足しできます。
しかし、中国人とコミュニケーションしようとしても、「用件中国語」ではお手上げなのです。

さらに中国語検定試験や資格試験の対策用テキストもたくさんありましたが、これも、私には用はありません。
中国語をかなりあやつれる段階に達してから、力試しをしたくなったら購入するかもしれませんが。

私が欲しかったのは、さまざまな話題で、物事の叙述の仕方や、説明のしかたが学べるものでした。
会話だけではなく、きちんとまとまった文章で物事を紹介し、説明する中国語を学べるものでした。

日本語で私たちが日常かわしている会話を考えてみればすぐ理解できることですが、どんな出来事がどのように起こったとか、それについて自分はどう思ったか、相手はどう思うか、など、報告したり、説明したり、意見や感想・気持ちを交換することが会話なのです。
そういう文章あるいは会話を学べるテキストが私は欲しかったのです。

書棚に並ぶ中国語テキストを片っ端から手にとって内容を確かめました。
そして見つけた3冊が、私の要求にぴったり合うものでした。

「実用漢語課本 日本語版 BOOK2」北京語言学院編 東方書店発行
「新中国語/基礎漢語課本4」 北京語言学院編 中華書店発行
「新中国語/基礎漢語課本5」 北京語言学院編 中華書店発行 

大学や語学学校で学んでいれば、もっと適切なテキストを紹介してもらえるのかもしれませんが、東京の大書店、それも中国関係専門書店でいろいろ見て歩いた中では、上の三冊が、私にとっては最良のテキストでした。

この三冊が、なぜ私の求めていたテキストだったのか、それは次回に説明します。

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500ページの中国語テキスト、こいつは歯ごたえがありそうだ

★中国語ラジオ講座を1年4ヶ月学んで、新しいテキストを探す
たった半年分の『ラジオ講座』の入門・初級編と中級編を理解・消化して、頭にインプットするのに、私は1年4ヶ月もかかりました。
会社に通いながら、通勤時間、早朝、帰宅後、週末など使える時間をすべて丸暗記に費やしても、これだけかかりました。

年のせいで記憶力が衰えていたためかもしれませんが、一番の原因は、酒好きの性格です。
誘われると断れないのです。で、飲んだ翌朝は1時間早く起きて暗記しようとしましたが、なんとなく頭がボケている感じで能率が悪い。中国や台湾に行ったら、乾杯しながら中国語を話すんだから、これしきのアルコールに負けてたまるかと、頑張っても、ダメなものはダメ。
そのうえ、若い頃からテニスが趣味だったので、毎週日曜日にはテニスでほぼ一日がつぶれます。
まあ、勉強時間が不足していたとも言えます。
さらに「丸暗記」しようという意思も時間がかかった理由でした。
「丸暗記」とは、文法を理解し、文の成り立ちを理解したら「完全に暗記する、いつまでも忘れぬように頭に刻印する」ということです。

時間はかかりましたが、何とか半年分を、くり返しくり返し何度も頭にタタキ込みました。
いまでも、そのとき作った中日対訳ノートの日本語を見ると、すぐに中国語が口から出てきますから、『ラジオ講座』の内容は永久的に身についた、といえるのではないかと思います。グズでノロマな「丸暗記学習」の効用です。

『NHKラジオ講座』半年分は、酒も飲まず、週末にもきちんと学習する方なら、1年以内でマスターできるでのはないかと思います。

『NHKラジオ講座』をひととおり終えたといっても、これですぐに中国人と会話できるわけもありません
中国語の地ならしができた程度です。

この地面の上に土台を建てなければならない。
さらに脳の中に「中国語ランド」を築き上げなければなりません。「中国語ランド」とは私が勝手に命名したものですが、要するに、中国語の単語や文章や文法知識で構成された脳の中の中国語世界です。
佐伯智義先生の『科学的な外国語学習法』(講談社)によれば、「中国語の神経回路」の構築。
ハンガリーの語学の達人ロンブー・カトーさんの『わたしの外国語学習法』(ちくま学芸文庫)によれば、「中国語の小風土の構築」ということになります。

中国語で生活する人々がいて、コミュニケーションしていて、会話もあればエッセイもある、物語もある、といった小さな世界を、そっくり頭の中に作り上げることです。
頭の中に中国語が入っていなければ、聞いても分からない、読めない、書けない、話せないからです。だったら、中国語の世界を頭の中に作ってしまえばいいと、いうのが私の考えです。

ロンブー・カトーさんは、入門初級の段階から、小説や戯曲を読み始めれば、中国語の「小風土」を脳内に構築するのに効果的、と書いています。
でも私にはそんな勇気がありませんでしたから、学習用テキストを探すことにしました。
勇気がなかったのはもちろんですが、中国語の場合、辞書を引くのが面倒です。
アルファベットを使う英語やスペイン語のように簡単にはゆきません。
一度でも中日辞典を使ったことのある方にはおわかりいただけると思いますが、読み方がわからない単語の場合には手間がかかります。それを考えただけで、いわゆるピンインがついていない「原書」を読もうという意欲がなえてしまいました。
ロンブー・カトーさんの勧めは、もうちょっと単語を覚えてから試してみたほうがよさそうだあきらめました。

★脳内「中国語ランド」の土台作りに効果的なテキストとは
土台作りの段階では、簡単な会話ができるレベルを目指します。
普通の日常生活の中でありそうな会話、それもごく瑣末な、重大ではない会話がとりあえずできることを目標にします。

とは言っても、いわゆる「実用会話」を収めたテキストはダメです。
この種のものは「用足し会話」しか収められていませんから。

ですから、テキストは「中国語で生活する人々がいて、コミュニケーションしていて、会話もあればエッセイもある、物語もある」というようなものが望ましいと私は考えました。
あまり断片的ではない、まとまった会話や、まとまった叙述があるもの。物事を人に紹介したり、説明したりする中国語が収められているテキスト。こういうものを私は探しました。

★私が選んだテキストは
『外国人用中国語入門コース標準テキスト 実用漢語課本/日本語版BOOK2』 北京語言学院編 東方書店

この本には、『BOOK1』と『BOOK2』があります。つまり第一巻と第二巻の二冊があります。
『BOOK1』は、『NHK講座』入門・初級程度のレベルです。もう十分に頭に入っているレベルです。
それで、『BOOK2』を購入しました。

これを選んだ理由は、次のとおりです。
①NHKラジオ講座からステップアップしやすそうだ。
②脳内「中国語ランド」の土台作りにぴったりだ。
③500ページもあるから、たっぷり中国語を読める、暗記できる。
④テープがついている。

表紙に「外国人用中国語入門コース標準テキスト」とあります。
「入門用」という言葉にあれっと思いましたが、『NHK講座』入門初級よりも少々充実している、というのが第一印象でした。知らない単語の数も適度です。学びやすそうです。
出てくる文法事項はラジオ講座とほぼ同じですから、そこで学んだ事柄をさらに強固に頭に刷り込めます。
取り上げられている会話や物語がさまざまで、ラジオ講座よりも世界が広い。「中国語ランド」の土台固めにぴったりです。

しかも500ページもあります。
こいつを全部、丸暗記して、頭に刷り込むにはだいぶ時間がかかりそうだという予感がします(予感のとおりになりましたが)。
しかし「中国語ランド」の土台は幅広く、分厚く、がっちりしていることがのぞましい、そう思っていた私には、500ページというボリュームに信頼感を覚えました。

たしかにラジオ講座はよくできています。
基礎的な事柄を学びやすく、コンパクトに作られています。しかし、なんともコンパクトすぎて、物足りない感じがするのです(NHKのかた、ごめんなさい、否定しているのではありません。私はNHKに感謝しているのです)。
その点、この『実用漢語課本BOOK2』は、もっと大量の中国語に触れて、土台をしっかり作りたいと考えていた私にはぴったりのテキストだったのです。

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「実用漢語課本」との格闘 
①最初の一ヶ月

「実用漢語課本BOOK2」は、私がはじめて使った分厚い中国語テキストでした。
この500ページを、私はすみずみまで理解し、暗誦しようと決めました。
実際に、骨までしゃぶりつくした、といえるほど、このテキストを酷使しました。表紙はぼろぼろになり、手垢で汚れ、ページの角が丸くなりました。なにしろ、約一年間、毎日、この本を読み続けたからです。

「実用漢語課本BOOK2」は20課で構成されています。
各課の構成は下記のとおりです。

①本文
②新出単語
③注釈(本文中の難解な文や語句についての説明)
④置き換え練習(基本文型に習熟するための機械的な置き換え練習)
⑤会話(学んだ文型を展開応用した会話)
⑥閲読短文(その課で学んだ語彙や文型を短い物語の中で再学習)
⑦文法(その課に出てきた文法項目の紹介、説明)
⑧練習問題

北京語言学院が編纂したテキストですが、日本人向けに、単語の説明や、注釈、文法説明に、日本語訳がつけてあります。ただし、本文や会話に日本語訳はついていません。

最初の一ヶ月は、ひたすら読んで理解する

最初の課から最後の課まで、ひととおり読んでみることにしました。ほとんどの単語はNHK講座で覚えた単語です。知らなかった単語も「新出単語」のページに日本語で意味が書いてあります。
で、読み始めてみると、以外にやさしい。それもそのはずで、単語レベルも、文法レベルもNHK講座とほとんど同じなのですから。
俺って、こんなにできるようになってたのか、などと感動しながら、読み進みました。
文法的に、記憶があやふやな箇所もいくつかありましたが、NHK講座のテキストを参照して、なんなくクリア。
一日に、二~三課ずつ読み進みました。

このテキストは、15年ほど前に作られたものなので、「四つの近代化」とか「解放軍兵士」などが登場し、いささか時代錯誤の感がありますが、それを我慢すれば、「まとまった文章を読んだ」という充実感を与えてくれます。

本文は、アメリカから北京に留学したクーパー君とポーランカさんの男女大学生の日々をつづったもので、会話もあれば日記もあります。
閲読短文には、さまざまな物語が紹介されています。成語故事や笑い話も多く、楽しめます。

この一冊を、最初の一ヶ月で、5~6回繰り返して読みました。
黙読です。黙読して、すぐに意味が取れるようになるまで繰り返すつもりでしたが、NHK講座の基礎が頭に入っていたためか、5~6回くり返し読んだら、意味はすぐにとれるようになりました。
置き換え練習も、5~6回繰り返しました。練習するというより、意味をとることに重点を置きました。

このときテープはまだ聞きませんでした。テキストを読み始める前に、一度だけ聞いてみましたが、まったく聞き取れなかったので、まず文字から理解することにしたのです。

ここまでは、まだトレーニングではありません。トレーニングのための準備段階です。
2ヶ月目からはじめたトレーニングが、グズでノロマな独習法のエッセンスです。
それは、今後、少しずつ、ご紹介します。

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「実用漢語課本」との格闘 
②半年間、ひたすらテープを聴き続けた

★テープを聴いても、ぜんぜんついてゆけない。単語を一つ一つ聞き取れない。
黙読して意味が取れるようになったところで、今度はテープを聴くことをはじめました。
「本文」と「会話」、そして「閲読短文」の部分がテープに吹き込まれています。
黙読では、ゆっくり一つ一つの単語を見ながら、単語の意味を思い出し、文の意味を理解することができましたが、テープを聴いてみると、単語の一つ一つが聞き取れない。英語やフランス語と違って、中国語には単語と単語がつながって音が変化するなどということはほとんどないのですが、私には、何もかもがひとかたまりにつながった感じで聞こえてくるのです。
今、そのテープを聴くと、非常にゆっくりとした読み方あるいは話し方だと感じますが、当時はとても速く感じました。
あせりました。ところどころ、単語が粒のようになって耳に飛び込んできます。しかしモヤモヤと固まって聞こえるところが多い。

★中国語を聴きなれていないだけだ、と自分に言い聞かせる。
テープが聞き取れないことにあせりましたが、よく考えてみれば、それも当然のことでした。
いままでのNHK講座の学習で、私は中国語の音だけに向き合うということはしてきませんでした。
NHK講座のテープはよく聴きましたが、それは発音と読み方を覚えるためでした。トレーニングの大部分は、音読しながら単語や文の構造を頭に叩き込むことでした。
会話や文の朗読を聴いただけで理解するというトレーニングはしなかったのです。つまり、中国語を聞くトレーニングが足りないだけだったのです。中国語の単語や文を、音で理解する訓練が欠けていたのです。
何日間かかろうが、何ヶ月かかろうが、聴くトレーニングを積みさえすれば、そのうち聴き取れるようになるさ、と自分に言い聞かせました。

★まず、テキストをにらみながらテープを聴き続ける。
これから始まるリスニングの特訓のために、テープをMDに録音しなおしました。私のテープレコーダーはリピート機能付きで、ある一定の範囲を自動的に巻き戻してくり返し聞くことができますが、巻き戻す間の時間がもったいない。MDなら、瞬時にリピートが始まります。
まず、テキストを見ながらテープを聴きました。1課ずつ、くり返しくり返し、テキストの文字を目で追いながらテープを聴きました。1課ぶんのテープ音声はだいたい10分程度あります。これをくり返しくり返し、テキストを見ながら聞き続けました。10回くり返すと、100分かかります。50回ぐらいくり返すと、テキストから目を離しても、単語の一つ一つが聞き分けられるようになりました。50回ということは、500分かかったということです。1課につき8時間半です。

★聴きながら、日本語の意味をイメージする。
テキストを見ながら聴いているとき、頭の中では、同時に単語の意味をイメージし、文の意味をイメージします。
はじめのうちは、音に集中すると意味をイメージできず、意味をイメージしようとすると音に集中できません。しかし、50回もくり返した頃には、テキストから目を離してテープを聴きながら、単語や文の意味を自然にイメージできるようになります。
わずか10分程度の内容の音声を聞いてわかるようになるのに、私は8時間あまりもかかりました。
私よりももっと若くて、頭の柔軟な方なら、もっと短い時間ですむかもしれません。

よく、外国語は外国語のまま理解しろ、日本語を介在させてはいけない、などと言う人がいますが、私は、なんと乱暴な言い方だろうと思っています。これはかなりの上級者に向かって言うべきことで、初級、中級程度の人間にそんなことができるはずがありません。
逆に初級や中級レベルでは、外国語を聞いたとたんに、あるいは聴きながら、日本語の意味をきちんとイメージできるように訓練すべきだと思います。

★全20課を聴いて理解できるようになるまで、半年かかった。
「実用漢語課本BOOK2」は全部で20課あります。全課が聞き取れ、意味も同時に理解できるようになるのに、私の場合、半年かかりました。
往復の通勤時間も含めて、一日約3時間ずつ、毎日聞き続けて、半年です。
時間がかかりすぎなのでしょうか。それとも速かったのでしょうか。私には判断できません。
でも、とにかく、このテキストのすべてを、聴いてわかるようになった。これだけは確かです。

聴いて理解できるようになりましたが、身についたかといえば、この500ページの中国語は、まだ理解できただけで、使い物にはなっていません。
「テキストの内容を、かいつまんで中国語で人に説明」できなければ、身についたとは言えないのです。

次回からは、私がやった「身につける方法」つまり「頭の中に500ページを叩き込む方法」をご紹介します。

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「実用漢語課本」との格闘 
③500ページの中国語を頭に叩き込む方法

「漢語課本BOOK2」500ページを頭に完全にインプットする方法とは、
結論から言うと、「音読」と「筆写(テキストを書き写すこと)」です。

音読を200回以上、筆写を100回以上やれば、500ページの中国語が、そっくり頭に刷り込まれます。
これは、私が実際に自分で経験したことですから、自信をもって言えます。

その効果は、

①「漢語課本」には、各課に「練習」があります。いろいろな練習がありますが、中に、「本文にもとづいて質問に答えなさい」というものがあります。
たとえば、「ポーランカとクーパーは、なぜ日曜日に丁大娘の家に行けなくなってしまったのですか?」というような質問です。本文を理解していれば、日本語ではすぐに答えられるはずです。「ポーランカが、金曜日の夜、窓をあけたまま寝たので、土曜日に風邪をひいてしまったからです」という具合に。
もしも、本文が身についていなかったら、日本語で思い出してから、必死になって作文しなければなりません。あるいは、本文の中の該当部分を探して、その中国語を答えることになります。
しかし、本文が身についていれば、つまり、すっかりインプットされていれば、ただちに頭の中から答えを引き出して、口頭で、あるいは書いて、答えることができるのです。
テキストの本文のとおりに答えることもできます。要点だけかいつまんで答えることもできます。これが、身についたということなのです。本文を読んで理解できた、というだけでは、こういうふうにはゆきません。

仮に、「本文の内容を説明してください」という問題があったとしても、すぐに答えられます。本文をそっくりそのまま答えることもできます。頭の中の本文をものすごいスピードで検索しながら、ポイントだけを要約して答えることもできます。

こういうことができるようになったとき、そのテキストを身につけたといえるのです。つまり、基本を身につけたといえるのです。

②私は「漢語課本」の後、三冊のテキストをやり、そろそろ実際に中国人と話す練習をやりたいと考え、中国人留学生を紹介してもらいました。
その留学生にはじめて会ったとき、「どんなレッスンをしたいのですか?」とたずねられて、「私には話す練習が不足しているので、あなたとは、毎回テーマを決めておしゃべりをしたいのです」という内容が、中国語で自然に口から出てきました。
これは、話そうとするイメージを頭に浮かべた瞬間に、「漢語課本」の中にあったいくつかの会話をもとに、それらをミックスした中国語として、口からスムーズに出てきたのです。
あるテキストを身につければ、そのテキストのレベルの範囲で、話すことができるようになるのです。

★音読、筆写トレーニングのやり方

①一つの課の「本文」「会話」「閲読短文」「例文」を10回音読します。時間があれば一日に二課進もうが、三課進もうがかまいません。
②各課を10回ずつ音読して、先へ先へと進み、全課終わったら、またはじめの課にもどって、10回ずつくり返します。こうして、すべての課を100回ずつ音読します。
③101回目からは、音読を1回したら、その部分を鉛筆なりボールペンで、紙に書き写します。音読と筆写ワンセットで、それを200回までくり返します。
まとまった内容を持つ本文や会話は、ひとまとまりを始めから終わりまで読んでから、まとめて書き写します。

★音読の注意

①ポーズに注意する
音読を始める前に、テープをよく聴いて、どこで区切られているか確認します。ポーズがどこにあるのかを確認するのです。
句読点符号のある場所はもちろんポーズがあります。しかし、句読点符号のない部分でも、ほんのわずかですがポーズがあります。そこは意味の切れ目なのです。そこをしっかり聞き取って、テキストに目印をつけましょう。
私はレ点をつけました。
そして、音読するときには、そのポーズに注意して読みます。

②音読しながら、単語や文の意味をイメージする
ただ、口を動かすだけの音読ではダメです。ただの口の運動練習になってしまいます。意味を意識しながら読むのです。はじめのうちは、ゆっくり読みながら、意味をイメージします。
慣れてくれば、テープと同じ速さで読んでも、意味をイメージできるようになります。

500ページの中国語を頭に入れる方法は、これだけです。
だまされた、と思った方はいますか? そういう方には一言申し上げます。外国語の習得とは、結局自分の頭の中に中国語を入れることから始まるのです。このプロセスを省略したら、決して中国語を使えるようにはなれません。

これは、とても時間がかかる方法です。しかし、考えてみてください。私たちが流暢に使っている日本語は、幼児の頃から高校生ぐらいまでの間に、繰り返し繰り返し、何度も聞き、読み、自分で口にし、手で書いて、覚えてきたのです。
たとえ基礎や初級といえども、わずか二、三ヶ月や半年で身につくはずはありません。一年や一年半は、わずかな時間ではありませんか。

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中国語基礎の仕上げは「新中国語」

「実用漢語課本2」をほぼ暗誦できるようになった後、私は「新中国語」をやりました。
「新中国語」は北京語言学院が編集し、単語と文法説明に日本語訳をつけたもので、日本の中華書店から発行されています。全部で5巻あり、全巻、テープ付きです。
原本のタイトルは「基礎漢語課本」とありますから、入門~初級の学習者を想定したものでしょうが、私には4巻目と5巻目はだいぶレベルが高いと感じられました。
第1巻から3巻までは、レベルが「実用漢語課本」の1および2とほぼ同等で、入門・初級レベルですが、4巻目と5巻目は、初級と中級の間、という感じです。
1巻から3巻までは、レベルが「実用漢語課本」と同じだったのでスキップして、4巻目と5巻目をやりました。

★「新中国語」の構成
各課の構成は次のようになっています。
①本文
②初出単語(日本語訳付き)
③語句の説明、使い方、例文
④類似語句の説明と使い方、例文
⑤練習問題および閲読短文
⑥巻末に単語集

このテキストは20年余りも昔の1982年につくられたため、本文の内容はいかにも古いという印象を受けます。当然のことながら、改革解放後の現代生活をテーマにしたものはまったくありません。毛沢東や周恩来、レーニンが出てきたりして、中国共産党や人民解放軍賛美の内容も多い。あとは成語故事や昔話のたぐいです。携帯電話とかコンピュータなどという単語はまったく出てきません。現代の中国人と会話したいのに、こんな古めかしい内容のテキストをやるのは間違いなんじゃないか、と私は一瞬ためらいも感じました。

しかし、と私は考えなおしました。私に今必要なのは基礎力なのだ。中国語運用の基礎力をつけてから、現代会話に必要な語句を覚えればいい。それまでは、古臭い内容でも我慢してつき合おうと。

基礎力をつけるには、このテキストはよくできています。北京語言学院の専門家たちが外国人に中国語を教えるためのエッセンスを注ぎ込んだ力作という感じがします。
たとえば、初出単語は、後の課にも繰り返し登場してきますから、違う場面、違う文の中で、その使い方を確認することができます。
また、語句の説明もていねいで、わかりやすい。例文の内容が古いのを我慢すれば、これもわかりやすい。
類似語句の使い分け方は辞書を見ただけではわかりにくいものですが、このテキストではていねいに説明してくれます。
このテキストとどのくらいの期間つき合うことになるのかわからないけれど、つきあって損はないと思い、購入しました。

次回からは、このテキストを私がどう使ったかをご紹介します。

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中国語の単語の覚え方/「新中国語」の学習①

はじめて「新中国語4」を見たとき、ちょっと難しそうに感じました。知らない単語が次々と出てきます。単語がわからないと文章の意味も理解できない。ちょっとあせりました。
しかし、このテキストには生詞(初出単語)表があって、辞書を引かなくても単語の意味がわかるようになっています。
単語の意味がわかれば、ほとんどの文章は理解できます。う~む、これからは単語が勝負だな、という予感がありました。

「新中国語」も、私は「実用漢語課本2」と同じ方法で学習しました。
つまり、
①まずテキストのすべての文章を理解する。黙読して意味が即座にわかるようになるまで、1冊全部を通して繰り返し読む。
②テープを聴いて即座に意味がとれるようになるまで、繰り返し聴く。
③テープを聞いて音読練習する。
④音読を何度も繰り返す(200回以上)。
⑤テキストを何度も書き写す(100回以上)。

①の「黙読して意味が即座にわかるようになる」トレーニングの最中に、単語の覚え方について気がついたことがあります。
今回は、単語の覚え方の秘訣について書きます。「秘訣」などと書きましたが、いろいろな方が英語の学習法の中でおっしゃっていることと大体同じです。ただ、私自身が試行錯誤の中でやってみて実際に効果的だと感じたやりかたが一つプラスされていますから、自信をもってお奨めできると思っています。

★単語を覚える秘訣……単語を見て本文を思い出す

①本文を読みながら、知らない単語が出てきたら、単語表を見て意味を確認する。
単語表のあるテキストの場合には、単語表を見て意味を確認します。学習が進んで単語表のない本を読む場合には、辞書で調べ、本の欄外にその単語とピンインと意味を書きます。

②わからない単語の意味を確認しながら、何度も本文を読む。
単語表を見なくても意味を思い出せるようになるまで、本文を繰り返し読みます。これは、すなわち、黙読で本文の意味を即座に理解できるようになることです。単語表を見なくても本文を理解できるようになったときには、その本文中の単語をすべて理解したことになります。

③単語表を見て、本文を思い出す。
ここからが、「グズでノロマな独習法」の秘訣です。今までだれもこんなことは言っていません。
本文を読んでわからない単語がなくなったら、今度は、単語表の単語をひとつずつ見ながら(あるいは欄外のメモを見ながら)、その単語が使われていた文章を思い出すのです。
はじめは、すぐに思い出せません。本文を見て、その単語が使われている文章を探し、その単語の下にアンダーラインをつけます。そして、その文章を読みます。
すべての単語について同じようにします。
そして、単語表を見ながら、すべての単語について、文章を思い出せるようになるまでくり返します。

このトレーニングの効果は、
(1)単語を単独で覚えるのではなく、文章といっしょに覚えるので、覚えやすい。
(2)文章といっしょに覚えるから、単語の正しい使い方が身につく。

いかがですか? ①と②は皆さんもやっておられるでしょう。でも③をやったことのある方はあまりいないと思います。
「単語を見て本文を思い出す」この方法は、単語運用能力の養成トレーニングとでも名づけましょうか。
ここで養成した単語運用能力は、やがて、作文したり、話したりするときの底力となります。自分でも驚くほど単語を使えるようになるトレーニングなのです。ぜひ試してみてください。

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音読200回/「新中国語」の学習②

下の写真は、私が使ったテキスト「新中国語4」の写真です。毎日読み、毎日持ち歩いて、音読200回、筆写100回をくり返しているうちにぼろぼろになりました。ページの綴じが剥がれてしまったので、あちこちセロテープで補修してあります。(汚い写真ですみません。)

P1010003.JPG

★音読をくり返すうちに起こる頭の変化

①テキストの文字を見たとたんに、頭の中で中国語の音が響きます。
音読を続けると、文字と音が一体になってきます。文字を目にしたとたんに、音が頭の中で響いてくるのです。このことを、相原茂先生は著書の中で、「文字が音として立ち上がってくる」と表現しておられますが、まさにそのような感覚です。
たとえば、知らない単語が多い中文雑誌などを読もうとしたときには、漢字は漢字のままで、音が響いてきません。
漢字あるいは単語を見たら音が響いてくるという状態になったときには、その漢字や単語は完全に自分のものになったといえます。
このことは逆に言えば、音を聴いたら単語をすぐに理解できるようになるということでもあります。

②文の頭から順に意味をイメージできる。
文をみただけで、文の頭から順に意味が頭に浮かんでくるようになります。
外国語を読むときに訳してはいけない、と外国語の達人たちは言います。その意味は、「翻訳しようとしてはいけない」ということだと私は理解しています。翻訳とはきちんとした日本語の文にすることです。
「訳してはいけない」といわれると、日本語の意味を考えてはいけないのだと、勘違いする人もいるようですが、そうではなくて、試験の英文和訳みたいに、完全な日本語の文章に直そうとしてはいけない、ということです。
音読しながら文の頭から順に意味をイメージするトレーニングは、中国語を見ただけで、あるいは聴いただけで意味が即座に頭に浮かぶようにするための、きわめて効果的なトレーニングなのです。

③定型呼応文、慣用句、組合せ連語、用例などが、口になじむ。
それぞれについて中国語の例を挙げて具体的に説明したいのですが、中国語を入力しても、ココログではうまく表記されません。いくつかの特定の文字が「・」になってしまうのです。(どなたか、ココログで中国語表記する方法をご存知の方がいらっしゃったら教えてください。)
ここに挙げた定型呼応文その他の意味をお知りになりたい方は、相原茂先生の「中国語の学び方」に詳しく説明がありますので、お読みください。
ここでは、自分で勝手に作るわけにはゆかない特定の語と語の結びつきのパターンとだけ説明しておきます。
これらのパターンは、覚えておかなかければ絶対に使えません。
たとえば、日本語では「薬を飲む」と表現しますが、中国語では「薬を食べる」と表現しますね。薬の場合「飲む」に相当する中国語を使ったら間違いです。こういう組み合わせが中国語にはたくさんあります。これらをしっかり覚えておかなかったら、正確な中国語は話せるようになりません。
テキストを何度も音読することによって、このような特定の語と語の組み合わせが口になじみ、頭にしっかりと刻印されるようになります。

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筆写100回の奇跡/「新中国語」の学習③

「新中国語4」と「新中国語5」の音読を100回やり終えてから、ふと思いついて、1回音読したら、1回ノートに書き写すということを始めました。
漢字を読めても、確実に覚えてはいないようだと感じたからです。はじめは、単語を書く練習をしていたのですが、どうせ書くなら文章丸ごと書いてみようと思い立ち、テキストの本文も例文も、そっくりそのままノートに書き写す練習を始めたのです。
書き写すことは、音読以上に時間がかかります。でも、先を急ぐ理由のない私は、時間をかけて筆写しました。
そして、40回、50回、60回と筆写を繰り返すうちに、驚くべきことが起こりました。

中国語が、外国語だとは思えなくなってきたのです。

あの感覚をどう表現すればよいのでしょうか。テキストの文章のすべてが、昔から知っていた言葉のように感じられるのです。
外国語であることに違いはないのですが、外国語のように感じない。異質感がなくなったというか、苦手感がなくなるというか、あたりまえの言語のように感じ始めたのです。ずっと前から慣れ親しんでいたあたりまえの言葉のようになった。

何度も読んだテキストですから、内容はほとんど暗記しています。ほぼ中国語で暗記できています。
そのテキストをさらに音読しながら書き写すと、中国語が親しみある言語に変化する。自分の言葉になったような気がし始める。
構文の一つ一つが、まさにその構文でなければならないんだという確信のようなものが生まれてくる。

たとえば、中国語の「就」という語は、なかなか使いこなすことができません。文法書を読んだり、辞書を読んだりして、理屈として使い方を理解しても、いざしゃべったり書いたりすると、「就」を使えない。
ところが、テキストの筆写を50回、60回と繰り返した結果、どんな場合に「就」を使わなければならないかが、自然にわかってくるのです。
たとえば、別のテキストを読んでいて、ここには「就」がないとおかしいな、と感じるところには、必ず「就」が来る。そういう感覚が生まれてくるのです。
これを「語感」というのでしょうか。
私は、このような感覚が生まれたときこそ、中国語の基礎が頭の中に築かれつつあるのだと、思っています。

音読200回、と筆写100回。
それは、中国語の基礎を頭に練りこむことができる、もっとも簡単で、もっとも効果的な方法であると思います。

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テキストの復元で、テキスト完全制覇


テキストの音読を100回以上繰り返すと、だいたい内容を覚えてしまうものです。

必要なのは、「だいたい覚えた」というレベルではなく、「完全に覚えてしまう」ことです。
完全に覚えてこそ、そのテキストで学んだことを、会話や作文で活かせるようになるのです。

完全に覚えるために、さらに200回、300回と音読を繰り返すのか?
私は、そうしましたが、音読だけを繰り返すよりも、もっと効果的な方法があることに気づきました。
それは「テキストの復元」という方法です。

テキストの中文を日本語に翻訳して、ノートに書きます。
その日本語を見ながら、中国語を言う。あるいは書く。
つまり、テキストの内容を日本語を見ながら復元するのです。

日本語を見て即座に中国語を復元できるようになるまで繰り返します。
これを20回、30回と繰り返すことによって、単純に音読を繰り返すよりもはるかに早くテキストを暗唱できるようになります。

ぜひ、チャレンジなさってみてください。

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