Posts categorized "06)音読の効用"

中国語テキストを、ひたすら音読する効用

テキスト音読の効用とはなんでしょうか?

まず第一に、テキストの内容が頭に入ることです。このことを私は「暗記」という言葉で表現してきました。外国語の先生方の中には、外国語は暗記するものでなない、などと書いたり話したりする方もいらっしゃいますが、だまされてはいけません。
暗記は、何か非効率的で、強引で、乱暴な学習法のような気がしますが、結局は、最も効率的で理にかなった学習法だと私は確信しています。
ただ、音読/暗記は、文の構造を文法的にきちんと理解し、文の意味を明確に理解したうえで行われなければなりません。意味のわからない中国語をやみくもに音読/暗記するのは意味がありません。そんなことをしても苦痛を感じるばかりです。
文の構造や単語の意味、文の意味を意識しながら続ける音読は、テキストをそっくり頭に刷りこみつつ、中国語の文の構成法の原理原則も同時に頭にインプットしているのです。
何百回とくり返す音読は、佐伯智義著「科学的な外国語学習法」でいう外国語の「神経回路」を作る最も効果的な方法なのです。
何度も同じテキストの音読を繰り返すのは、時として、その単調さが苦痛になることもあります。他のテキストを読みたくなります。しかし、そこを我慢して、テキストの内容を暗誦できるまで頑張ることで、頭の中に中国語の基礎がしっかりとできあがるのです。

第二は、音読は「中国語を使う」ことの「疑似体験」であるということです。
日本で学習する私たちの身の回りには、中国語で話さなければならない状況はほとんどありません。一生懸命理解した中国語を自分で実際に使う機会がないため、なかなか使えるようにならない。
読んで理解できる人は多いけれど、話したり書いたりすることが不得手だという人が多いゆえんです。
私たち日本人が日本語を学んできた過程は、ある状況で親や先生や友達が話した日本語を、何百回も、何千回も耳にし、それを同じような状況で自分でもしゃべる。間違ったり、うまく話せたりということを何度もくり返してきたわけです。
中国語では、その繰り返しのプロセスを実生活で体験できません。ではどうしたらいいのか。中国語の本(テキスト)を何度も音読することで繰り返し同じ表現に触れ、自分の口から表現する練習をするのです。ロンブー・カトー著「わたしの外国語学習法」では、本(テキスト)を読むことは「外国語の小風土」に自分を投げ込む最も良い方法であるといっています。つまり外国語が使われている世界〈テキストの世界)に自分が入り込み、そこで話されていること、書かれていることを自分も体験することができるというわけです。
しかも本を読むことは、同じ表現に何度でも触れることができます。本(とテープ)は、私たちの要求にこたえて何度でも同じ表現を見せて〈聞かせて)くれます。実生活で中国語の先生や中国人の友人に同じことを何十回も聞くことはできません。相手だってうんざりするでしょう。しかし、本は、黙って何度でも正しい中国語を私たちに教えてくれるのです。

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音読200回/「新中国語」の学習②

下の写真は、私が使ったテキスト「新中国語4」の写真です。毎日読み、毎日持ち歩いて、音読200回、筆写100回をくり返しているうちにぼろぼろになりました。ページの綴じが剥がれてしまったので、あちこちセロテープで補修してあります。(汚い写真ですみません。)

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★音読をくり返すうちに起こる頭の変化

①テキストの文字を見たとたんに、頭の中で中国語の音が響きます。
音読を続けると、文字と音が一体になってきます。文字を目にしたとたんに、音が頭の中で響いてくるのです。このことを、相原茂先生は著書の中で、「文字が音として立ち上がってくる」と表現しておられますが、まさにそのような感覚です。
たとえば、知らない単語が多い中文雑誌などを読もうとしたときには、漢字は漢字のままで、音が響いてきません。
漢字あるいは単語を見たら音が響いてくるという状態になったときには、その漢字や単語は完全に自分のものになったといえます。
このことは逆に言えば、音を聴いたら単語をすぐに理解できるようになるということでもあります。

②文の頭から順に意味をイメージできる。
文をみただけで、文の頭から順に意味が頭に浮かんでくるようになります。
外国語を読むときに訳してはいけない、と外国語の達人たちは言います。その意味は、「翻訳しようとしてはいけない」ということだと私は理解しています。翻訳とはきちんとした日本語の文にすることです。
「訳してはいけない」といわれると、日本語の意味を考えてはいけないのだと、勘違いする人もいるようですが、そうではなくて、試験の英文和訳みたいに、完全な日本語の文章に直そうとしてはいけない、ということです。
音読しながら文の頭から順に意味をイメージするトレーニングは、中国語を見ただけで、あるいは聴いただけで意味が即座に頭に浮かぶようにするための、きわめて効果的なトレーニングなのです。

③定型呼応文、慣用句、組合せ連語、用例などが、口になじむ。
それぞれについて中国語の例を挙げて具体的に説明したいのですが、中国語を入力しても、ココログではうまく表記されません。いくつかの特定の文字が「・」になってしまうのです。(どなたか、ココログで中国語表記する方法をご存知の方がいらっしゃったら教えてください。)
ここに挙げた定型呼応文その他の意味をお知りになりたい方は、相原茂先生の「中国語の学び方」に詳しく説明がありますので、お読みください。
ここでは、自分で勝手に作るわけにはゆかない特定の語と語の結びつきのパターンとだけ説明しておきます。
これらのパターンは、覚えておかなかければ絶対に使えません。
たとえば、日本語では「薬を飲む」と表現しますが、中国語では「薬を食べる」と表現しますね。薬の場合「飲む」に相当する中国語を使ったら間違いです。こういう組み合わせが中国語にはたくさんあります。これらをしっかり覚えておかなかったら、正確な中国語は話せるようになりません。
テキストを何度も音読することによって、このような特定の語と語の組み合わせが口になじみ、頭にしっかりと刻印されるようになります。

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